技術情報
三浄工法
VOC類・油分・重金属汚染土壌の原位置処理工法
概要
「三浄工法」は、三軸中抜矩形撹拌混合装置を用いて、汚染された土壌の汚染物質にあわせて三種類の処理を、原位置にて行う工法です。
1.「フェントン処理」により、VOC類(揮発性有機化合
物)を分解・無害化処理します。
2.「エアスパージング」により、油分を処理します。
3.固化材を用いて重金属類の「不溶化処理」をしま
す。
原理
「フェントン処理」は、フェントン反応剤を直接地盤中に注入し、有機化合物を化学的に分解する浄化技術です。フェントン反応の第一段階として、過酸化水素が二価鉄と反応してヒドロキシルラジカルを生成します。
H2O2+Fe2+→ Fe3++OH-+OH・
ヒドロキシルラジカルは、不安定で汚染物質(有機物)と激しく反応します。その際、三価の鉄イオンは再び二価の鉄イオンに還元されるため、鉄は触媒と考えられます。「フェントン処理」の場合、三軸中抜矩形攪拌混合装置の中軸から過酸化水素(H2O2)を注入し、両側二軸から硫酸第一鉄(FeSO4)を注入攪拌を行います。「フェントン処理」は高濃度汚染にも対応可能で、短期間で汚染物質を酸化分解することができます。
「エアスパージング」は、汚染土壌中に圧縮空気を送り汚染物質の気化を促進する工法です。
「不溶化処理」は、固化剤を均質に撹拌します。
特徴
- 「三軸中抜矩形撹拌混合装置」が小さいため、狭隘な土地における隣地境界に近接しての改良施工が可能です。
- 三軸の施工機械を使用するため、複数の改良剤の混合が可能です。
- 掘削工・山留工が不要なため、工期が短く、施工費も安価です。
- 掘削を行わないため、近隣環境への粉塵問題が発生しません。
- 改良剤を現位置にて均質に混合できるため、品質むらを生じることがありません。