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多点同時注入工法
-恒久グラウトを用いた変位抑制型の薬液浸透注入工法-
概要
「多点同時注入工法」は、既設構造物直下や近傍の地盤改良として適用可能な変位抑制型の薬液浸透注入工法です。本工法はこれまでの薬液注入工法と比べて注入負荷が小さく、地盤や周辺構造物の変位を最小限に抑制できるだけでなく、優れた浸透効果と工期短縮を実現させた技術です。改良対象の地盤は砂質土や砂礫土であり、港湾・海岸・空港等施設における各種構造物基礎地盤の液状化対策、岸壁・護岸背面砂地盤の吸い出し防止対策、土圧軽減対策、長期的な止水対策、地盤強化・支持力増強等に本工法を適用することが可能です。
技術評価:一般財団法人 沿岸技術研究センター
港湾関連民間技術の確認審査・評価技術(第14002号)
※「多点同時注入工法-恒久グラウトを用いた変位抑制型の薬液浸透注入工法-」は、りんかい日産建設株式会社、若築建設株式会社、強化土エンジニヤリング株式会社の共同開発です。
施工方法
※「多点同時注入工法」の専門工事は、地盤注入開発機構 恒久グラウト・本設注入協会(急速浸透注入協会)に加盟する協会員が担当します。
特徴
- 標準的な吐出量は1.0ℓ/分~6.0ℓ/分の低吐出であり、脈動のない一定吐出を実現して理想的な浸透注入が可能です。
- 1ユニットで32箇所を同時注入する専用の多連ポンプを採用しているため、低吐出でありながら施工能力が従来工法(二重管ダブルパッカ工法等)よりも高い工法です。
- 注入プラントはユニット化されているため、狭隘地での施工性に優れた工法です。
- 注入管は内径6mmの細いフレキシブル管(結束注入細管)を採用しており、注入管の長さを任意に調整可能であるため、適切な位置に注入口を配置できます。また、生分解性注入管を採用することもでき、注入管の残地が困難な場所への適用も可能です。
- 各注入箇所の注入圧力・吐出量を監視し、このデータをリアルタイムに表示・記録・制御する管理装置(一括集中管理システム)を採用しており、薬液注入において緻密な施工管理が行えます。
- 変位測定装置と連動して吐出量をリアルタイムで制御する変位観測制御システム(DCIシステム)を導入することで、近接する重要構造物や地盤の変位量を許容値内に抑えながら施工を行うことができます。
- 液状化対策等で使用する注入材は、耐久性に関する理論と現場実証がなされた活性シリカ系の注入材(恒久グラウト)です。